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数寄屋建築

「数寄屋造り」という伝統を受け継ぎながら、
時代の空気を取り込み、呼応してさらに進化させる。
暮らしの文化を高めるための、礎となる文化を
藏持はたいせつにしています。

数寄屋造りとは

「数寄屋造り」の原形は、室町末期〜安土桃山時代に茶匠たちが侘びの風体に基づきつくった草庵茶室とされ、千利休によって確立されました。当時の武家屋敷に見られる書院造りが重んじた、権威の象徴としての格式・様式を極力排しているのが特徴です。虚飾を好まず、内面を磨いて客をもてなすという侘び数寄の精神性を映し、シンプルながらも自由で洗練された意匠となっています。

そもそも数寄屋の数寄とは「好き」の当て字で、茶の湯や和歌、生花などを好むこと。数寄屋はそのための趣向を尽くす、好みに任せてつくった家という意味で、元は茶室を表すものです。ここに現代の私たちが学ぶべき、豊かさの原点があるのだと藏持は考えます。深い庇や障子が微妙な光の濃淡をつくることで生まれる奥行きのある表情、自然素材がもつ清々しさと温かみ。その静かな佇まいに、私たちは癒しと安らぎを覚えるのです。

近代日本文学の父・谷崎潤一郎もまた、この数寄屋に魅せられた一人でした。谷崎は自邸に数寄屋造りを取り入れ、代表作『陰翳礼讃』では、数寄屋の美学が語られます。「私は、数寄を凝らした日本座敷の床の間を見る毎に、いかに日本人が陰翳の秘密を理解し、光と蔭との使い分けに巧妙であるかに感嘆する」と。歴史の中で受け継がれてきた、知恵と美意識と技術の結晶である数寄屋造り。私たちはこの素晴らしい伝統建築を受け継ぎ、“数寄屋の藏持”と呼んでいただけることに誇りを持ちながら、暮らしの文化を高める家づくりを追求しています。

数寄の家はさまざま

数寄屋造りの家と言っても、外観も内観もすべて純和風にまとめることもできれば、純和風の建物でも暮らし方によってある空間を現代風に仕立てることもあります。住まう方のお好みで十人十色の数寄屋造りがあるのです。

数寄屋造りは、日本の風土が育んだ木や土、和紙、竹、草などの自然体のふくよかな歪みを持つ材料を用い、ふくよかな歪みが生じる人間の手仕事によりつくる自然体の建築手法と言われます。素材を活かし、自然ならではの趣をたいせつにする数寄屋造りの精神はそのままに、外観から各空間を現代的な意匠にすることも可能です。伝統の造りと美意識、現代のデザイン、住まう方のライフスタイル。それらを掛け合わせて、「好き」の住まいができるのです。

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