open
close

縁プロジェクト_vol.02

人に役立つ技術を取り入れ、
美容師の技能を磨く。
岡野 章
有限会社ジールサロン
統括マネージャー/スタイリスト
岡野 章氏
PROFILE

ジールサロン統括マネージャー。スタイリスト歴13年。カウンセリングを通じライフスタイルを考慮した提案力で信頼を集める。美容師業界の人手不足の原因である労働条件の向上を提唱し、働く側にとっても理想となるサロンを日々追求している。

ここ、つくばエリアで信頼できるオススメの美容室は?と聞けば、大方の人がその名を挙げるという。
男女幅広い層から支持を集めている人気店、
ジールサロン(茨城県つくば市)はいかにして顧客の心をつかんでいるのか。
オーナーとともに店を牽引する岡野さんに仕事へのこだわりを訊いた。

カウンセリングから人となりを見て、ヘアデザインを提案する。

岡野さんがお客さまと接する上で気をつけていること、こだわっていることを教えていただけますか。

当たり前のことだと思うのですが、カウンセリングは大切にしています。新規の方でも常連さんでも。お客さまが「4cmくらい切りたい」と言っても、どういうイメージをして4cmと言ったのかを確認しますし、そのイメージがお客さまの場合はこうなるだろうというのを想像して伝えるようにしています。だから、ヘアカタログを持ってきて「これにしてください」と言われても、そうならないと思ったらはっきり断ります。そうはなりませんよ、と。
私たちはカウンセリングを通して、その人なりの性格や好み、職業などもふまえて、ヘアデザインをお薦めするようにしています。たとえばその人が、仕事ではいつも髪を縛っているなら、縛った時の顔まわりに髪の毛を落とせるようにしたほうがいいのか、ビシッと縛りたいならレイヤーを入れないほうがいいとか。
サロンでデザインしたスタイルが完成形でも、毎日の暮らしの中で長い時間違うスタイルになっていて、それが気に入らないものであればダメだと思うんです。

サロンのひとときよりも、毎日を気分よく楽しんでもらえるように。

それは、サロン後の日常を考えたカウンセリング術なんですね。

そうですね、再現性は常に考えることです。サロンでスタイルが決まっても、次の日からそのスタイルができなかったら、意味がありません。ですから、髪の乾かし方やセットの仕方、ドライヤーを入れる方向、スタイリング剤の量などをしっかりお客さまにお伝えして、ご自身でスタイルを再現しキープしてもらえるようにしています。
サロンにいるひとときが楽しく心地よいものであって欲しいですけど、それよりも楽しんで欲しいのはふだんの毎日だと思っていますから。

ずっと人のためになる、確かなものを取り入れたい。

テクニックの面で岡野さんなりにこだわっていることはありますでしょうか?

たとえば男性の場合、サイドとバックを刈り上げるスタイルにする時は刈り上げた毛の長さを一定にせず、生え際の方だけ短くなるようにちょっとしたグラデーションをつけたりします。そうすると髪が伸びても変にツンツンした感じがなく、まとまりのあるスタイルがキープできるんです。これは実は床屋のカット技術なんですね。美容師でこれを意識している人はあまりいないと思います。フィールドが違えど、リスペクトすべき素晴らしい技術は取り入れるべきだと。いいものは、いいんですから。
道具もそうです。私の鋏は越後鍛冶の刀匠が代々受け継いできた日本刀の技術を活かして職人がつくったものなんですが、もう切れ味が他とは違うんですね。スパッと気持ち良く切れる鋏はストレスなく使えます。切れない鋏は毛を押し潰しながら切られるので髪の断面は汚くなりますし、髪へのストレスもかなりのものかと思います。
伝統の技だったり、先人の知恵だったり、ずっと後世まで変わらず人のために役立つ確かなものに私は魅力を感じます。そういうものは仕事にもプライベートにも取り入れたいですね。

美容師の視点で考えた、理想のパウダールーム。

今回、縁プロジェクトに参画されたきっかけは何だったのでしょう?

ちょっと前に家をフルオーダーで建てまして。その過程で洗面台を選ぶ際に思ったことなんですが、どれも既製のものは使う人のことを考えて造られていないなと。とりあえず必要な機能をコンパクトに、いや無造作に集めたようなものばかりで、実に使いにくい。
そんな話を藏持さんにしたところ、共同でパウダールームのプランを考えることになりました。ドライヤーなどの収納やメイクしやすいスペースだったり、普通の洗面台にはない自然光に近いメイク用の照明器具にしたり、その光の角度などを考慮したり。住まう人がいつも心地よく使えて、美しくいられる、そんな美容師発想のパウダールームを提案しました。
家づくりを考えるなかでは、パウダールームについては最後の方で、特に要望がある人は少ないと聞きます。でも、暮らしのなかでは一日の始まりと終わりに使う大事な場所です。これから家づくりをする方、特に女性の方はプランをぜひ参考にしてほしいと思います。

pagetop