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縁プロジェクト_vol.01

文化遺産とも呼べるオールドアルファロメオを未来へつないでいく。
遠藤 順一
株式会社スポルティーバ
代表取締役
遠藤 順一氏
PROFILE

アルファロメオ・フィアット正規ディーラーの店長を10年経験した後、イタリア車専門店「Sportiva」を立ち上げる。自身もアルフィスタとして内外装の仕上げを担当。ヒストリックカー文化の担い手として一台一台、真摯に向き合っている。

アルファロメオ・フィアットなどイタリア車のメンテナンス、
販売をする株式会社スポルティーバ(茨城県つくば市)。
1960年代のジュリア(105系)といったオールドアルファロメオなどもスクラップ寸前の状態から新品同様にフルレストアし、新たな生命を吹き込んでいる。
業界の中でも一目置かれる存在というアルフィスタ集団を率いる遠藤さんを尋ねた。

蘇らせたい。その想いに応えたい。

遠藤さんのところには、都内をはじめ関東近郊からその評判を聞きつけ、旧車のアルファロメオのレストア依頼があるそうですが、一体どんな強みがあるのでしょうか?

私たちの世界というのは、とても狭いんですね。クルマに乗る人の中でアルファロメオにこだわって乗っている人は、国産はもとより他の外国車メーカーに比べてもはるかに少ない。旧車ならなおのこと。根っからのファンの方や、こういうヒストリックカーのよさに興味のある方は、ごく少ないのですが確実にいることはいる。もう何十年と倉庫で眠っていてガラクタのようになってしまった旧車でも、どうにか蘇らせることができないか、そう願う人が少なからずいて、その人たちの想いに応えたくなったからここを始めたんです。
だから他の修理工場で断られたり、ディーラーを通して依頼された車も、なるべくコストをかけずに再生できるよう、外注をせずに自社で内外装やエンジン、ミッション系の修復まで全てできる技能を持った人材と設備を集めました。余計な費用がかかり過ぎて高くついてしまっては、維持したい、購入したいという思いにはなりませんからね。それによって高価買取も可能になり、オーナーさんが自分の手から新たなオーナーに託したいという想いにも応えることができる。そういうところがあって、今ではいろいろ声をかけてもらっています。

まだ走れる。旧車も、私たちも。

やはり、その根底にはアルファロメオへの愛情があったからなのでしょうか?

そうですね、ここを始めてから、より好きになったというか…。私は以前、アルファロメオのディーラーで10年ほど営業販売をしていました。もちろんメインは新車です。アルファロメオらしい斬新なスタイリングやダイレクトなドライブフィール、官能的でスポーティなエンジン音が確かに魅力だと思っていましたし、好きだからお客さまにおすすめしていました。
でも、目を向けられるのは新車だけなのかと。これまで世に出てきたものはどうなんだと。で、まわりを見れば10年、15年経っているモデルは次々にスクラップされていく。本当にそれでいいのかと思いましたね。それで先ほど言ったように、旧車を好きな人もいるからそっちの道を行ってみようかなと。だって、サビだらけで腐食がひどくて、誰が見ても再生不可能だろうという個体でも、ちゃんと手をかけてあげれば動くんですよ。動くどころか今のスポーツカーのスペックに引けを取らない走りをしてくれるんですから。
私たちは眺めるだけの飾りをつくっているわけじゃありません。乗ってこそ、その良さを実感いただけるものをつくりたいと思っています。

残すべき文化だから。

「もったいない」という精神が私たちにはあるはずなのですが、クルマの世界では特に浸透しにくいものかもしれませんね。

日本では10万km超えたら、もう乗れないという考えが定着しています。それを超えてどこか壊れると「ああ、もういいや」と、廃車にしてしまう。もっと手をかけてあげてほしいですね。
特に我々の世界は衰退しつつあります。今やハイブリッド、EVの時代。ヒストリックカーは現在の車のような高い信頼性や安全性面なども含めた実用面で長けた存在ではありませんから、減りつつあります。でも、誰かが残さないと。誰かが直さないと、今の子どもたちはその良さを知ることができませんから。私たちはオールドアルファロメオを素晴らしい文化遺産だと思って、一台一台に新たな生命を吹き込めるように取り組んでいます。

車と寄り添う暮らしづくりへ。

今回、縁プロジェクトの参画にあたっては、どのような想いがあったのでしょう?

藏持さんも伝統の文化を大切にしながら暮らしづくりを提案されています。私たちも車の文化を大切にしたい想いがありました。そこが一致するなと思いまして。私たちやお客さまの多くはアルフィスタという偏った好き者ばかり。そういう車好きが暮らしの中でどう車と寄り添っていけるのか。そのあたりの話をディスカッションして、藏持さんと一緒に住まいのプランに落とし込んだので、興味のある方はぜひ覗いてみてほしいと思います。

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